改訂新版 世界大百科事典 「マラジョー島」の意味・わかりやすい解説
マラジョー[島]
Ilha de Marajó
ブラジル北部,パラ州にあるアマゾン川河口の島。一部が大西洋に面した内陸島で,この種のものでは世界最大である。面積4万8000km2,人口19万3392(1980)。アマゾン川の堆積作用によるもので,東半分が早期に形成され,雨季の増水時にも水没しない部分(テラ・フィルメ)が多い。乾季には広大な草原が開け,牧畜業(ことにスイギュウ)が盛ん。西半分にはイガポー(水中森)が広がり,航行可能な水路が無数にあり,増水期には水没する。ゴム産業が行われる。またこの島には比較的に高度に発達した古代文化の遺跡があり,甕棺(かめかん),土偶,タンガ(女性性器を覆う土器)など特徴的なものが多数発掘されている。
執筆者:前山 隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報