ミス・ロンリーハーツ(読み)みすろんりーはーつ(その他表記)Miss Lonelyhearts

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミス・ロンリーハーツ」の意味・わかりやすい解説

ミス・ロンリーハーツ
みすろんりーはーつ
Miss Lonelyhearts

アメリカの作家N・ウェストの中編小説。1933年刊。新聞の身上相談欄を受け持つ若い男性記者ミス・ロンリーハーツ(「孤独な娘」という筆名)は、読者からの切実な訴えを絶えず聞かされて憂鬱(ゆううつ)症になり、女と関係したり、恋人ベティ田舎(いなか)の農場へ行ったりして、混乱した意識に秩序を回復しようとするが果たせない。ついに身上相談をやめ、妊娠したベティに結婚を承諾させて精神安定を得るが、つまらぬできごとで死んでしまう。不況期世相背景に、冷酷無情な社会を内面から告発した秀作

[大浦暁生]

『丸谷才一訳『世界文学全集18 孤独な娘』(1966・集英社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 集英社

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android