日本大百科全書(ニッポニカ) 「みぞれ」の意味・わかりやすい解説
みぞれ
みぞれ / 霙
溶けつつある雪、あるいは雨や霧雨と雪が入り混じって降ること。雨から雪に変わったり、逆に雪が雨になる際に現れることが多く、長時間みぞれが降ることはまれである。気温は0℃に近いが、すこし高い場合が多い。雲から降ってくる途中で、雪は気温が0℃の面に達すると溶け始めるが、完全に雨に変わるには時間がかかるためである。みぞれが降る際の気象レーダーのPPIスコープには、リング状の強いエコーが現れることがあって、ブライトバンドbright bandとよばれる。雪が溶けかかると電波の反射が強くなるが、雨に比べて落下速度が小さいために生じる現象である。同じ気象レーダーのRHIスコープでは、地表に近い高さで、水平に伸びた幅をもった層になる。
[篠原武次]