日本大百科全書(ニッポニカ) 「みつまめ」の意味・わかりやすい解説
みつまめ
みつまめ / 蜜豆
冷菓の一種。塩ゆでのアカエンドウに、さいの目に切った寒天、サクランボ、ミカン、バナナ、パイナップルの小片、求肥(ぎゅうひ)を加え、糖蜜を加える。果物の種類を豊かにしたフルーツみつまめのほか、小豆餡(あずきあん)を上に盛ったあんみつ、アイスクリームを添えたクリームみつまめなど、いずれも彩り華やかで涼感がある。1887年(明治20)ごろ子供向けに駄菓子屋で売られたものが、汁粉屋、喫茶店にも進出、いまでは四季を問わず売られている。あんみつの背景には、江戸時代に振売りされた「ところてん」や汁粉売りの風俗がうかがえる。「蜜豆の寒天の稜(かど)の涼しさよ」(山口青邨(せいそん))とあるように、俳諧(はいかい)では夏の季語に使われる。
[沢 史生]