ミニマックス(その他表記)minimax

翻訳|minimax

関連語 鈴木

改訂新版 世界大百科事典 「ミニマックス」の意味・わかりやすい解説

ミニマックス
minimax

最大損失を最小にするという考え方をいう。いま,ある人が不確実な事態のもとで,何らかの意思決定をしようとしているとする。彼の取りうる行動をi=1,2,……,m,起こりうる事態をj=1,2,……,nとする。iという行動をとったとき,jという事態が起こったとすると,彼の損失はaijであるとすると,例えば,次のような損失の表(これを損失行列という)を書くことができる。

 もしiという行動をとったとすると,そのとき考えられる最大損失はである。この値をできるだけ小さくするような行動をとるとすれば,であるから,i=2という行動をとるのが,ミニマックス原理による行動の選択である。

 損失でなく,利得をもとに考えるときには,最小利得を最大にするという考え方で,マックスミニmaxmini原理になる。いずれも最悪の事態を考えて,その中から最も望ましいものを選択する行動原理で,慎重な意思決定法である。本来ゲーム理論のゼロ和2人ゲームの最適戦略を求める考え方からきた言葉である。
ゲーム理論
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android