日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマシジミ」の意味・わかりやすい解説
ミヤマシジミ
みやましじみ / 深山小灰蝶
Reverdin's blue
[学] Lycaeides argyrognomon
昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。日本では本州の特産種、東北地方中部から中部地方にかけて分布するが、その生息地は主として河川の堤防、ときに山地の草原にみられることもある。国外では朝鮮半島、中国東北部からヨーロッパにわたりユーラシア大陸の北部に分布が広い。はねの開張は30ミリメートル内外。はねの裏面の色彩、斑紋(はんもん)は雌雄大差はないが、表面は雄では藍紫(らんし)色、雌では黒褐色で後翅に橙斑(とうはん)がある。近似種のヒメシジミが年1回の発生であるのに対して、本種は多化性、4月ごろから10月ごろまで4、5回の発生を繰り返す。幼虫の食草はマメ科のコマツナギ。ときにタイツリオウギやイワオウギにもつく。卵の状態で冬を越す。
[白水 隆]