ミランコビッチ理論(読み)ミランコビッチりろん(その他表記)Milankovitch theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミランコビッチ理論」の意味・わかりやすい解説

ミランコビッチ理論
ミランコビッチりろん
Milankovitch theory

地球の気候は約 2万年から約 40万年程度の地球軌道の変化で繰り返されるという理論。1920年にユーゴスラビアの数学者・天文学者ミルティン・ミランコビッチによって提唱された。離心率,地軸の傾き,歳差運動という地球軌道の 3要素の長周期変動によって北半球の夏の太陽放射量が変化し氷期間氷期が繰り返されるという説で,以下の 3点の組み合わせによって気候変化が起こると考える。(1) 地球の公転軌道は離心率が円(0)から楕円(0.005~0.06)へと約 10万年と約 40万年の周期で変わる(現在は 0.0167)。(2) 地軸の傾斜角は 22.1°から 24.5°の間を 4.1万年の周期で変化する(現在は 23.5°)。(3) 地球自転の歳差運動によって各季節の地球と太陽との間の距離(近日点)は約 1.9万年と約 2.3万年の周期で変わる(現在は 1月2日頃)。

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