むかわる（読み）ムカワル

デジタル大辞泉

むかわ・る〔むかはる〕

［動ラ四］《動詞「向むかう」から派生した語。向き合う位置になる意》
１ まわりまわって報いがくる。
「いくほどもなく身の上に―・りにきと思へば」〈平家・二〉
２ 相当する。
「田を作れば、この一段たんは、別人ことびとの十町に―・りぬ」〈古本説話集・下〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

むかわ・るむかはる

1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 動詞「向かう」から派生した語で、向き合う位置になる意 )
2. ① ぴったりと向き合う。対座する。
   1. [初出の実例]「如来に対(ムカはリ)、大衆の前にして」(出典：守護国界主陀羅尼経巻八平安初期点（900頃）)
3. ② 月日や昔の行ないに相当する報いが、その人に向き合うようにめぐってくる。
   1. [初出の実例]「この世にてかく思ひかけぬ事にむかはりぬれば」(出典：源氏物語（1001‐14頃）柏木)
   2. 「保元に申行ひし事、いくほどもなく身の上にむかはりにきと思へば」(出典：平家物語（１３Ｃ前）二)
4. ③ ぴったり対応する。相当する。
   1. [初出の実例]「かくて、田をつくれば、この一たんは、ことびとの十ちゃうに、むかはりぬ」(出典：古本説話集（1130頃か）六二)

出典　精選版 日本国語大辞典