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古本説話集 こほんせつわしゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

古本説話集
こほんせつわしゅう

説話集。2巻。書名は 1943年本書が発見された際つけたもので,本来の書名は未詳。成立は 12世紀前半とする説と,13世紀に入ってからとする説がる。上巻は王朝貴族の和歌を中心とする説話 46編,下巻は仏教説話 24編を収める。説話の選択配列に編者の意図を読取ることはできず,文学的価値は少いとされる。しかし『今昔物語集』と共通する説話が 40編に及び,『宇治拾遺物語』との共通説話 23編では文章が細部までほぼ一致するなど,他の説話集との関係が密接で,この時代の説話伝承の実際を知るうえに重要な資料。

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デジタル大辞泉の解説

こほんせつわしゅう〔コホンセツワシフ〕【古本説話集】

鎌倉初期までに成立した説話集。編者未詳。前半は和歌説話46話、後半は仏教説話24話からなる。

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百科事典マイペディアの解説

古本説話集【こほんせつわしゅう】

平安後期の説話集。本書は孤本で,流麗な筆致の和文で書かれた写本一冊があるのみ。《古本説話集》という名称は1942年に発見,翌年公開された際に仮称としてつけられたもので,外題も内題もない。
→関連項目宇治大納言物語平中説話

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世界大百科事典 第2版の解説

こほんせつわしゅう【古本説話集】

説話集。編者,成立時期ともに未詳。平安末期成立,鎌倉初期成立の両説がある。原題は失われており,書名は現代の研究者による仮称。和歌説話46話,仏教説話24話の計70話を収録。インドを舞台とするものが3話あるが,ほかはすべて日本の説話。すべての説話が〈今は昔〉と書きおこされている。説話集の前半は,大斎院選子,赤染衛門(あかぞめえもん),和泉式部,みあれの宣旨,伊勢大輔(いせのたいふ),清少納言,伯(はく)の母,藤原長能(ながとう),源道済(みちなり)などにまつわる和歌説話と,それらの説話から喚起されるイメージを含む和歌説話とが,連想を契機にして組み合わされて配列されている。

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大辞林 第三版の解説

こほんせつわしゅう【古本説話集】

〔原本の書名が不明のため、1943年(昭和18)に命名〕
説話集。一冊。編者未詳。大治年間(1126~1131)末頃成立か。前半は和歌説話、後半は仏法説話より成る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古本説話集
こほんせつわしゅう

平安末期の説話集。編者未詳。現存伝本は東京・梅沢記念館所蔵写本が唯一のもので、題簽(だいせん)、内題ともになく、本来の書名は不明。仮題が定着しているが、『梅沢本古本説話集』などともよばれる。所収説話の伝承関係から推定して1126年(大治1)から1201年(建仁1)の間の成立とする説が有力。前半の46話は王朝の女流歌人たちの逸話を中心とする和歌説話、後半の24話は観音霊験譚(かんのんれいげんたん)を多く含む仏教説話からなり、全体として王朝盛時の風雅の世界への回顧と仏菩薩(ぼさつ)の霊験・救済とを基調としている。『今昔物語集』や『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』と共通の説話を多数含み、院政期の説話伝承を考える重要な手掛りを提供している。[小島孝之]
『川口久雄校注『日本古典全書 古本説話集』(1967・朝日新聞社)』

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