日本歴史地名大系 「ムクチ」の解説 ムクチむくち 北海道:日高支庁浦河町ムクチアイヌ語に由来する地名。現在の昌平(しようへい)川の河口に位置する。一八世紀末頃ウラカワ場所の運上屋(会所)がウラカワ(のちのモトウラカワ)から当地に移設されたため、ウラカワともよばれた。「蝦夷日誌」(一編)に「ウラカハ」を説明して「従三石五里。享和三年改同。馬有、継立所。ウラカワは則後の名にし而、元来此処モコツチと云地なるべし。モコツチ略し而ムクチと云。此処の運上屋は、是より二里も西に有しを此処に移せし也。寛政御趣意の頃は皆モトウラカワなりしとかや」とあり、「廻浦日記」、「戊午日誌」(宇羅加和誌)にもほぼ同様の記述がみえる。なお宇羅加和誌に「運上屋の有る処は本名ホンナイフツにして」とあるが、山川地理取調図には「ウラカワ 会所」の西に「ホンナイフト」が記載されており、ムクチ(ウラカワ会所の所在地)とホンナイフツ(ホンナイフト)は近接してはいるが別の場所と考えられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報