むさむさ(読み)ムサムサ

デジタル大辞泉 「むさむさ」の意味・読み・例文・類語

むさ‐むさ

[副]
きたならしいさま。むさくるしいさま。
「身を―ともつぞ。湯を浴びつなどもせぬぞ」〈蒙求抄・三〉
ごちゃごちゃしているさま。
「具足多く、―と俗なる連歌が付けにくきなり」〈九州問答〉
毛などが多いさま。ぼうぼう。
「色青く、面やせて、ひげ―生えたるが」〈仮・可笑記・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「むさむさ」の意味・読み・例文・類語

むさ‐むさ

  1. 〘 副詞 〙
  2. [ 一 ] ( 多く「と」を伴って用いる )
    1. せま苦しい、窮屈だの意を表わす語。
      1. [初出の実例]「詞にむさむさといへる、如何。答、むさはみつせは、みつさまの反、せばきはむさむさとある也。もしまた、無相無相といへる歟」(出典:名語記(1275)四)
    2. ごちゃごちゃとして、きたならしいさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「詞もつたなく、風情もなくて、ことごとしく具足おほく、むさむさと俗なる連歌が付にくき也」(出典:九州問答(1376))
    3. 毛などが多くて、乱れているさまを表わす語。むしゃむしゃ。
      1. [初出の実例]「かしらをなでてみて『やれやれうれしや、むさむさと致てわるかったに、すっきりと致てようござる』」(出典:虎明本狂言・呂蓮(室町末‐近世初))
    4. 心が満たされないさま、いらいらしたり腹を立てたりするさまを表わす語。むしゃくしゃ。
      1. [初出の実例]「後不敢堅対とは、初云たる義をとをしもせいで、むさむさとしたぞ」(出典:史記抄(1477)一五)
  3. [ 二 ]むざむざ

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