むざむざ

精選版 日本国語大辞典 「むざむざ」の意味・読み・例文・類語

むざ‐むざ

〘副〙 (古くは「むさむさ」。多く「と」を伴って用いる)
節度をわきまえず、無分別、不注意であるさまを表わす語。うっかり。
御伽草子酒茶論(古典文庫所収)(室町末)「むさむさとなる事 あのさけのしわざなり」
② 確たる理由もなく事を行なうさま、いいかげんにするさまを表わす語。
評判記・色道大鏡(1678)四「いたくつたなきたばこを挙屋の出すに、太夫女郎などそれをむさむさとのむは、見かけみぐるしかるまじきや如何
③ とりとめなく、無為に過ごすさまを表わす語。
日葡辞書(1603‐04)「Musamusato(ムサムサト) ヒヲ クラス」
④ 価値あるものが不用意に、あるいは無造作に失われるさまなどを、無念に思い惜しむ気持を込めて表わす語。
※雑俳・桜狩(1743)「しはんぼのうらでむざむざ散る桜」
※浄瑠璃・近江源氏先陣館(1769)八「生長(おひさき)も見ずむざむざと莟の花をちらすかと」
[語誌]→「むさと」の語誌

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デジタル大辞泉 「むざむざ」の意味・読み・例文・類語

むざ‐むざ

[副]価値あるものが無造作に失われるさま。やすやすと。「せっかくのチャンスむざむざ失ってたまるか」「むざむざ(と)捨てるわけにはいかない」
[類語]楽楽軽軽かるがる無造作らく容易簡単易しい容易たやすわけ無いくみやす易易いい悠悠難無く苦もなくちょろい簡略簡易あっさり手っ取り早い易い手軽手軽い造作ない軽い生易しいイージー朝飯前楽勝お茶の子お茶の子さいさい河童かっぱたなごころを返す労せずして赤子の手をひねるお手の物事も無げ手も無く見す見すまんまと平易軽易安易ものともせずすんなりすいすい首尾良くちょいちょいちょちょいのちょい

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