狂言の曲名。出家狂言。旅僧(シテ)が一夜の宿を請うと、快く迎え入れたその家の主人は、僧の教化(きょうげ)を聞き、出家したいといいだす。妻や一族にも了解済みとのことなので、主人の頭を剃(そ)り、予備にもっていた衣まで着せてやる。さて、名をつけてほしいと頼まれ、いろは手本を見ながら、い蓮坊、よた蓮坊などと口ずさむが主人の気に入らず、やっと呂蓮坊に落ち着く。ところが、そこへ食事を運んできた妻が驚き、なぜ出家したと責めたてると、主人は旅僧の勧めでなったと言い訳する。あと、大蔵(おおくら)流では夫は先に逃げてしまい妻が旅僧を追い込むが、和泉(いずみ)流では夫婦で旅僧を倒し連れ立って入っていく。宿の主人のふと出家したくなる遁世(とんせい)への願望に中世的人間像が感じられる。
[小林 責]
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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