可笑記(読み)かしょうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

可笑記
かしょうき

仮名草子如儡子 (にょらいし) 作。5巻。寛永 13 (1636) 年成立,同 19年刊。万治本は絵入り。約 280条の見聞,随想から成り,各条「昔さる人の云へるは」を冒頭とした随筆風の読み物で,『徒然草』の影響が強い。初期仮名草子にはまれな俗文体で,不遇で世に入れられぬ著者 (浪人) の憤慨,世相批判や,すたれゆく武士道についての慨嘆を述べている。仮名草子教訓物の最初の作品で,浅井了意の『可笑記評判』 (60) ,西鶴の『新可笑記』 (88) など後世に与えた影響は大きい。

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世界大百科事典 第2版の解説

かしょうき【可笑記】

仮名草子。如儡子(じよらいし)作。5巻。1636年(寛永13)成立。42年刊。《徒然草》にならって,約280条400項にわたり〈むかしさる人のいへるは〉の書出し短文を収めた随筆集である。内容は文武儒仏,政治世俗,道徳宗教,故事見聞,笑話戯歌(ざれうた),自分の経験など多方面に及ぶが,特に小人(しようじん)がへつらいで出世し正義清廉の賢士が不遇であるという世相慨嘆や,武士道がすたれ,役人が腐敗するという批判的話題が多い。

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大辞林 第三版の解説

かしょうき【可笑記】

仮名草子。五巻。如儡子によらいし作。1636年刊。「徒然草」にならって、当時の世相などに対する感想を随筆風に記したもの。模倣作や「可笑記評判」のような批判書を生んだ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

可笑記
かしょうき

江戸前期の仮名草子(かなぞうし)。「おかしき」とも読む(本文中にこの振り仮名がある)。如儡子(じょらいし)作。1642年(寛永19)刊。『徒然草(つれづれぐさ)』に倣った随筆書で、本文280段よりなる。その内容は修身経国に関する教訓を中心とし、古今の故事例話、仏法論、儒仏論、見聞談、小咄(こばなし)など多岐にわたっているが、作者の経験に即した武士生活に関する意見が主となり、藩政を支配する家老たちへの厳しい批判や、浪人生活の悲惨さを語っている点などがその特色となっている。[田中 伸]
『田中伸他編『可笑記大成』(1974・笠間書院)』

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