日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムーミン谷の彗星」の意味・わかりやすい解説
ムーミン谷の彗星
むーみんだにのすいせい
Kometen Kommer
フィンランドの画家・児童文学作家トーベ・ヤンソンの「ムーミン物語」(全8巻)の最初の1巻。1947年に『彗星を追って』として出版されたが、56年に書き直して『彗星を追うムーミントロール』となり、さらに書き改めて68年に『ムーミン谷の彗星』となった。架空の不思議な動物ムーミントロールを主人公に、作者の若い日の情熱を伝える新鮮な魅力に満ち、個性的な登場人物の安らぎと興奮が生き生きと描かれている。続編には『たのしいムーミン一家』(1949)、『ムーミンパパの思い出』(1950)、『ムーミン谷の夏まつり』(1954)、『ムーミン谷の冬』(1957)、『ムーミン谷の仲間たち』(1962)、『ムーミンパパ海へいく』(1965)、『ムーミン谷の十一月』(1970)などがある。
[山内清子]
『下村隆一訳『ムーミン谷の彗星』(講談社文庫)』▽『下村隆一他訳『ムーミン童話全集』全8・別巻(1990~92・講談社)』