メタスズ酸(読み)メタスズサンエン

化学辞典 第2版 「メタスズ酸」の解説

メタスズ酸(塩)
メタスズサンエン
metastannic acid(metastannate)

Sn両性のため,

  Sn(OH)4(水酸化スズ) H4SnO4(オルトスズ酸)  

と考えられ,オルト酸から水を一部除いた酸H2SnO3をメタスズ酸という.しかし,実際のメタスズ酸とは,スズを硝酸で処理して得た白色無定形組成がSnO2nH2Oのかなり不活性の物質(水にも不溶)のことである.また,組成からM2SnO3に相当するものをメタスズ酸塩というが,SnO32-という独立したイオンは存在しない.また,メタスズ酸塩はM2SnO3nH2O型の俗称であり,実際はM2[Sn(OH)6]型のヘキサヒドロキソスズ(Ⅳ)酸塩である.[別用語参照]ヘキサヒドロキソスズ(Ⅳ)酸(塩)

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のメタスズ酸の言及

【スズ(錫)】より

…濃硝酸には不溶性のβスズ酸をつくる。メタスズ酸と呼ぶことがあるが,正しくない。
[製法]
 製錬用の鉱石はスズ石が主で,鉱脈から採取される山スズと,鉱脈が風化された砂スズの形が原料とされる。…

【スズ酸(錫酸)】より

…酸,アルカリ,炭酸アルカリに不溶。β‐スズ酸をメタスズ酸と呼ぶこともあるが,これは正しくない。α‐スズ酸とβ‐スズ酸との相違はあまり明確ではなく,連続的に変化していると考えられている。…

※「メタスズ酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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