日本大百科全書(ニッポニカ) 「メルズリャコーフ」の意味・わかりやすい解説
メルズリャコーフ
めるずりゃこーふ
Алексей Фёдорович Мерзляков/Aleksey Fyodorovich Merzlyakov
(1778―1830)
ロシアの詩人、翻訳家、批評家。商家の出。モスクワ大学卒業後、ロシア語雄弁術・詩文学科教授を務め(1804~30)、その受講者にはビャーゼムスキー、チュッチェフ、レールモントフなどがいる。国民的自覚とフォークロアを結合した独自の詩作は、デカブリスト期直前の政治詩に影響を与え、1805~10年に書かれた『民謡』が人気を博した。批評家、文学理論家としては、擬古典主義に近い立場をとったが、その権威であるスマローコフやオーゼロフを批判し、青年の文学的傾向の発展を助けた。西洋古典、シラーの翻訳に優れたものが多い。
[島田 陽]