改訂新版 世界大百科事典 「モナト」の意味・わかりやすい解説
モナト
Pierre Monatte
生没年:1881-1960
フランスの労働運動指導者。学校教員を辞任して出版労働者となり,アナーキズム運動,労働組合運動に参画,1904年から労働総同盟(CGT)執行部に加わり,豊かな学識によって総同盟きっての理論家となり,サンディカリスムの理論形成に寄与した。09年,総同盟の内紛に際してグリフュールらが総辞職したのち,《労働者生活》誌を刊行,サンディカリスム左派の理論的再構築を試みた。第1次大戦の勃発に際しては,いち早く反戦の立場を表明,軍法会議により軍隊に編入されたのちは戦線からツィンマーワルト運動を指導した。ロシア革命に共鳴,創立期の共産党に協力,総同盟から分離した統一労働総同盟(CGTU)内の共産党系グループを支持したが,24年党を除名。25年以降,《プロレタリア革命》誌を主宰,一貫して労働組合運動の統一に努力した。
執筆者:相良 匡俊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報