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ものづくりシニア ものづくりしにあ

知恵蔵の解説

ものづくりシニア

特に厳密な定義はないが、自動車など主に製造業の現場でものづくり技術を習得してきた、50代後半から60代を中心としたベテランを指す。ここでの「ものづくり技術」とは、人工物(設計されたもの)で顧客を満足させる現場活動全体を指し、全社的品質管理(TQM:Total Quality Management)やトヨタ自動車かんばん方式など、能力構築競争を続ける一部日本企業の得意分野である。したがって「ものづくりシニア」とは、単に固有技術(例えば切削加工、鋳造、プレス)の技能熟練者(匠)だけにとどまらず、それらをつなぎ、顧客へ向けた付加価値(設計情報)の流れを作る現場の知恵(作業、工程、品質などの管理・改善)を豊富に持ったベテランのことといえる。彼らシニアがしかるべき再教育により「ものづくりインストラクター」として再生するならば、本人の生き甲斐となるだけでなく、サービス業系に多い競争不全(低生産性)部門、能力構築の意欲を持つ中小企業、非正規従業員、若年潜在労働力などに対する、産業や世代を超えたものづくり知識移転の主役となりうる。このように、ものづくりシニアは、少子高齢化に直面する日本全体の生産性向上に大きく貢献しうる存在といえ、2007年問題はむしろチャンスに転ずる。

(大鹿隆 東京大学ものづくり経営研究センター特任教授 / 藤本隆宏 東京大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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