モリヌークス家(読み)モリヌークスけ(その他表記)Molyneux

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モリヌークス家」の意味・わかりやすい解説

モリヌークス家
モリヌークスけ
Molyneux

フランス出身のイギリスとアイルランドの名門貴族の家系。 (1) セーヌアンフェリュールを出身地とする家系 アダム・ド・モリヌークス (1450没) はヘンリー6世に仕えて国璽尚書 (44) ,チチェスター司教 (46) などをつとめたが,対フランス和平交渉委員としてまとめた結果が国民に歓迎されず,J.ケイド反乱の際ポーツマスで殺害された。リチャード (1593~1636) は,ランカスター公領長官などをつとめたのち,1628年アイルランド貴族に取立てられ,メアリーバラ子爵になった。その子リチャード (17頃~54頃) は2代子爵を継ぎ,清教徒革命では国王派について戦ったが,ウースターの戦い (51) で敗れ,亡命。 (2) カレーを出身地とする家系 アイルランドに定住したトマス (1597没) に始る。最も重要な人物はウィリアムモリヌークス。彼の弟トマス (1661~1733) は高名の生物学者,医者で,医学校校長,ダブリン大学医学部教授などをつとめた。ウィリアムの子サミュエル (1689~1728) は,議員海軍卿枢密顧問官などをつとめた政治家であるとともに,天文学者としても有名で,レンズの研磨技術や天頂儀を改善し,J.ブラッドリー研究を助けた。

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