天頂儀(読み)てんちょうぎ(英語表記)zenith telescope

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天頂儀
てんちょうぎ
zenith telescope

天頂付近で南中する恒星を観測してその赤緯を求める観測装置で,子午儀の一変形。角度で 0.01″まで精密にはかれる。精巧な水準器望遠鏡の組合せより成り,また水準器の扱いの繁雑さを省いて精密度を上げるため全体を水銀槽に浮べた浮遊天頂儀もある。この型の場合は眼視観測が困難なので,写真に写してその乾板上で測定する。

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百科事典マイペディアの解説

天頂儀【てんちょうぎ】

緯度精密測定用の器械。水平軸で小望遠鏡を支え,架台全体は鉛直軸のまわりに正しく180°回転できる。鉛直方向をきめる精密なタルコット水準器と,接眼部に付けたマイクロメーターが特色で,南中時にほぼ等しい短い天頂距離をはさんで天頂の南北に位置する2星を観測し緯度を求める。水準器の代りに機械全体を水銀上に浮かべる浮遊天頂儀もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

てんちょうぎ【天頂儀 zenith telescope】

天頂距離がほぼ等しい南北の子午線を通過する二つの恒星の天頂距離の差を測定し,観測地の天文緯度を決定する特殊望遠鏡。望遠鏡の口径は10cm,焦点距離1.5m前後で,接眼部に精密なねじで動く糸線測微尺を備え,0.1秒角が読みとれる。架台には1秒角以下の精密水準器があって,望遠鏡を正しく鉛直軸のまわりに180度反転させる。測定はいわゆるタルコット法で,眼視的に行われるので個人差が大きい。望遠鏡を水銀槽に浮かべて写真法を使う浮遊天頂儀もある。

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大辞林 第三版の解説

てんちょうぎ【天頂儀】

天頂を挟んで南北に位置する二星の天頂距離差を測定し、観測点の緯度を求める望遠鏡。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天頂儀
てんちょうぎ

地球回転運動の微小な乱れの一つである極運動に起因する緯度変化を観測するための望遠鏡。観測原理の提唱者と望遠鏡の製作者との名前によって、ホレボー‐タルコット法Horrebow-Talcott's method(タルコット法)ともよばれる。岩手県奥州(おうしゅう)市の国立天文台水沢VLBI観測所(旧、緯度観測所)にある眼視天頂儀は、口径108ミリメートル、焦点距離1289ミリメートル、視野の広さは20分角である。天文緯度は、天頂から南北にほぼ等しい角度を数分間隔で通過する1対の星を選び、望遠鏡を反転して南北星の天頂距離差を測微計を用いて測定し、決定する。極運動決定のための国際協力観測である国際緯度観測事業に、1899年(明治32)以来用いられてきたが、1990年代に入って、新しい観測方法が登場したことによって、その歴史的役割を終えた。[横山紘一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

てんちょう‐ぎ テンチャウ‥【天頂儀】

〘名〙 観測地の緯度を精密に求めるため、天頂の南北にある二天体の天頂距離差を測定する際に用いる望遠鏡。

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