モリブデートオレンジ(読み)もりぶでーとおれんじ(その他表記)molybdate orange

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モリブデートオレンジ」の意味・わかりやすい解説

モリブデートオレンジ
もりぶでーとおれんじ
molybdate orange

クロム酸鉛PbCrO4のクロムを一部分モリブデンと硫黄(いおう)とで置換した組成Pb(Cr,Mo,S)O4の正方晶固溶体からできている非常に鮮明な赤橙(せきとう)色顔料で、PbCrO4、モリブデン酸鉛PbMoO4、硫酸鉛PbSO4の含有率はモル比でだいたい25対4対1。製法はクロム酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム各水溶液を硝酸鉛水溶液に加え反応させ、水素イオン濃度(pH)を調節しながら攪拌(かくはん)を続け、水溶液中でPb(Cr,Mo,S)O4系固溶体を生成させる。この固溶体が生成するにしたがい、沈殿色調赤みを帯びてくる。所期の色調になるまでこの操作を行い、安定剤を添加し、濾過(ろか)、水洗する。塗料、印刷インキ、プラスチックの着色剤に用いられる。

大塚 淳]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む