クロム酸鉛(読み)クロムサンナマリ(英語表記)lead chromate

デジタル大辞泉 「クロム酸鉛」の意味・読み・例文・類語

クロムさん‐なまり【クロム酸鉛】

鉛塩水溶液二クロム酸カリウムを加えて得られる黄色の結晶。水には溶けない。黄色顔料に用い、黄鉛おうえんクロムイエローなどとよばれる。化学式PbCrO4

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精選版 日本国語大辞典 「クロム酸鉛」の意味・読み・例文・類語

クロムさん‐なまり【クロム酸鉛】

  1. 〘 名詞 〙 クロム酸の鉛塩。化学式 PbCrO4 黄色、単斜晶系結晶。天然には紅鉛鉱として存在。工業的にはクロム酸ナトリウム硝酸塩複分解でつくる。黄鉛主成分で、水に溶けず、酸、アルカリには溶ける。黄色顔料酸化剤などに用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロム酸鉛」の意味・わかりやすい解説

クロム酸鉛
くろむさんなまり
lead chromate

普通、クロム酸鉛(Ⅱ)をいう。天然に紅鉛鉱として産出する。酢酸鉛(Ⅱ)や硝酸鉛(Ⅱ)の水溶液に水溶性のクロム酸塩または二クロム酸塩を加えると沈殿として得られる。黄色結晶。少量の不純物を含むものは黒み赤みを帯びている。水にはほとんど溶けないが、アルカリには亜鉛酸塩MI2PbO2をつくって溶ける。酸にも溶け、硫化水素黒色となるが、光、空気に対しては安定である。黄色顔料として知られる黄鉛(クロムエロー)の主成分である。また、炭素水素元素分析に際し、燃焼ガス中から硫黄(いおう)の酸化物を除くため酸化銅と混ぜて用いられる。

[守永健一・中原勝儼]


クロム酸鉛(データノート)
くろむさんなまりでーたのーと

クロム酸鉛(Ⅱ)
  PbCrO4
 式量  323.2
 融点  844℃
 沸点  (分解)
 比重  6.123
 結晶系 単斜
 屈折率 2.42

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化学辞典 第2版 「クロム酸鉛」の解説

クロム酸鉛(Ⅱ)
クロムサンナマリ
lead(Ⅱ) chromate

PbCrO4(323.20).ベニエン(紅鉛)鉱(crocoite)として天然に産出する.クロム酸塩,または二クロム酸塩水溶液に鉛(Ⅱ)塩(酢酸塩,硝酸塩など)の水溶液を加えると得られる.沈殿直後には斜方晶系であるが,徐々に安定な単斜晶系にかわる.単斜晶系のものは黄色の結晶.密度約6.1 g cm-3.高温では正方晶系のものになる.融点844 ℃.融点以上では分解して O2 を発生する.水にほとんど不溶.黄色の顔料(クロムイエロー,黄鉛(おうえん))として広く用いられる.また,紺青との混合物も緑色の顔料で,クロムグリーンといわれる.アルカリ性水溶液で硝酸鉛(Ⅱ)とクロム酸ナトリウムとを混合煮沸すると,赤橙色のPbCrO4・PbOが沈殿する.これはクロムレッドとよばれ,顔料として用いられる.有毒.[CAS 7758-97-6]

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改訂新版 世界大百科事典 「クロム酸鉛」の意味・わかりやすい解説

クロム酸鉛 (クロムさんなまり)
lead chromate

化学式PbCrO4。天然には紅鉛鉱として産する。黄色,単斜晶系の結晶。通常,塩基性塩が混入して赤色ないし赤黒色となっていることが多い。融点844℃(分解),比重6.12,屈折率2.42。水に不溶。酸,アルカリに可溶。硝酸鉛または酢酸鉛の水溶液にクロム酸塩水溶液を加えると沈殿する。黄鉛あるいはクロムイェローと称して黄色顔料として広く用いられる。
クロムイェロー
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロム酸鉛」の意味・わかりやすい解説

クロム酸鉛
クロムさんなまり

黄鉛」のページをご覧ください。

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