ヤブカラシ(その他表記)Cayratia japonica (Thunb.) Gagn.

改訂新版 世界大百科事典 「ヤブカラシ」の意味・わかりやすい解説

ヤブカラシ
Cayratia japonica (Thunb.) Gagn.

道端や庭や畑の縁などに多いブドウ科の多年生のつる性雑草。生長力が旺盛でこれがからまるとやぶでも枯れるというところから藪枯しの名がついたが,一名ビンボウカズラともいわれる。茎は巻きひげで,他物にからまって長く伸び,若い時は紅色を帯びている。葉は互生して巻きひげと対生する位置につき,鳥足状の5小葉をもった複葉である。花は小さく,7~8月ころ,集散花序をつくって開き,花弁は4枚,緑色で開くと脱落し,淡紅色の花盤が現れる。地下茎から掘り起こして完全に取りのぞくことがむずかしく,地上部を切り取ってもすぐ新しい芽が伸びてくるので,やっかいな害草と考えられている。新芽をゆでてよく水にさらすと,和えものなどにして食べることができる。また中国では烏蘞苺(うれんばい)の名で,根や全草が薬用にされ,解毒作用があるという。東アジアからインド,マレーシアに分布する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヤブカラシの言及

【薬用植物】より

…例えばアマチャヅル(ウリ科)はオタネニンジン(チョウセンニンジン,ウコギ科)と同類の成分を含むことが判明し,茶剤として薬用製品化された。また類似した形態を有するヤブカラシ(ブドウ科)は,このアマチャヅルと誤認されやすいため偽物が出回っているという。並木としても美しいイチョウは血管強化薬の原料として,葉が日本からドイツへ輸出されているし,ヤマノイモ類が性ホルモン製剤の原料としてインドネシアから日本に輸入されている。…

※「ヤブカラシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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