younger dryas time
新ドライアス期とも。約19,000〜18,000年前から開始した最終融氷期の中で急激に氷期の規模にまで気温が低下したイベント。当初はデンマークの地層中の花粉分析結果から,寒冷種であるチョウノスケソウ(Dryas octopetala)の大規模増加イベントが確認されたことから認識されたが,現在はグリーンランド氷床コアの記録や海洋堆積物コアの記録などにも12,900〜11,600年前に相当する層準に,明瞭な寒冷イベントとして記録されている。年平均の気温の情報をもたらす,氷にトラップされた希ガスや窒素を使ったグリーンランド氷床のアイスコアの気温復元記録からは,現在と比べた気温低下がマイナス16℃だったとされ,モレーンの分布から求められた4℃の夏の温度低下を考慮すると,冬には28℃の温度低下が起こったことが報告されている。海洋の深層循環が弱化したことによる海氷の張り出しがフランス南部の沖まで拡大していたことによるとされている。この時期にはアジアモンスーンの弱化や大気のダスト量の増加が報告されており,広く北半球全体に影響を及ぼしたイベントであったことがわかる。一方の南極氷床のアイスコアには同時期の気温上昇が認められ,南北熱シーソー現象として知られている。
執筆者:横山 祐典・熊井 久雄・市原 実
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
冬に 4日間暖かい日が続くと 3日間寒い日が続き,また暖かい日が訪れるというように,7日の周期で寒暖が繰り返されることをいう。朝鮮半島や中国北東部の冬に典型的な気象現象で,日本でもみられる。冬のシベリ...