普及版 字通 の解説
常用漢字 12画
[字訓] たとえる・つげる・さとす・さとる
[字形] 形声
声符は兪(ゆ)。兪は、把手(とつて)のある手術刀で膿漿(のうしよう)を盤(舟)に移す形で、・(癒)の初文。兪にはものを移す意がある。他に喩えて、ことを諭すを喩という。〔説文〕に喩字を収めず、〔広雅、釈言〕に「譬(ひ)は喩なり」とみえる。〔荘子、斉物論〕に「指を以て、指の指に非ざるを喩ふるは、指に非ざるを以て、指の指に非ざるを喩ふるに(し)かざるなり」という。〔論語、里仁〕「君子は義に喩(さと)る」は、彼に鑑(かんが)みてこれを知る意である。
[訓義]
1. たとえる、たとえてつげる、たとえてさとす、おしえる。
2. つげる、さとす、さとる。
3. 愉と通じ、よろこぶ、やわらぐ、たのしむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕喩 サトル・タトフ・タトヒ・サトス・ヲシフ・シカモ・トブラフ・コシラフ・イコフ・シメス
[語系]
喩・(諭)jioは同声。〔説文〕三上に「譬は(さと)すなり」とあって、喩・はもと同義の字。のち喩を譬喩、を諭告・諭戒の意に用いることが多い。
[熟語]
喩意▶・喩勧▶・喩教▶・喩指▶・喩旨▶・喩勉▶・喩名▶・喩喩▶
[下接語]
暗喩・慰喩・引喩・隠喩・嘔喩・解喩・諫喩・教喩・暁喩・喩・訓喩・告喩・善喩・直喩・比喩・譬喩・風喩・明喩・誘喩
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報