ユナイテッド・ステーツ・スチール(その他表記)United States Steel Corp.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ユナイテッド・ステーツ・スチール
United States Steel Corp.

アメリカ合衆国の大手鉄鋼会社。略称 USスチール。1901年金融王ジョン・ピアポント・モルガン資本のもとに当時最大の鉄鋼会社であったカーネギー製鋼(→カーネギー)をはじめ,フェデラル・スチール,ナショナル・スチールなど約 10社が統合され,史上初の 10億ドル会社として創立された。当初から全米粗鋼生産高の約 65%を押さえていたが,さらにエルバート・ヘンリー・ゲーリーのもとで堅実な成長を続け,また優良鉱山の独占的獲得と鉄鋼の管理価格に指導的役割を演じて,鉄鋼市場に圧倒的な支配力をもつにいたった。このため 1920年に反トラスト法違反に問われたが,解体は免れた。第1次世界大戦後はベスレヘム・スチールなどの勃興によりシェアが低下。第2次世界大戦後は鉄鋼 2次,3次製品の分野にも進出した。1982年マラソン・オイル,1986年テキサス・オイル・アンド・ガスを買収。エネルギー事業の売り上げが鉄鋼を上回るようになり,1986年 USXに社名変更。化学,建設,エンジニアリング,不動産などにも事業を拡大した。2001年 USXは鉄鋼部門を分離し,翌 2002年マラソン・オイルに改称してエネルギー事業などを継承。鉄鋼部門は 2002年ユナイテッド・ステーツ・スチールの社名で事業を再開した。

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