ユリウス日ともいい、J. D.と略記する。紀元前4713年1月1日(ユリウス暦)から経過した日数をいう。なお、日の端数まで数える場合はグリニジ正午をもって日の始めとする。1582年、古典学者スカリゲルJoseph Justus Scaliger(1540―1609)が導入したもので、彼の父で学者のユリウスJulius Caesar Scaliger(1484―1558)にちなんで名づけた。太陽周期28年、太陰周期19年、ローマ・インディクション15年の三周期が同時に循環する大周期7980年(=28×19×15)をユリウス周期と称し、その第1年は三周期のそれぞれの第1年で、スカリゲルは起算年を紀元前4713年にとった。ユリウス日は歴史に現れる紀元前のほとんどすべての年を含んでおり、各国が異なった暦法を使用していて日付が違っていても、ユリウス通日によって統一した日付で表すことができる。そのため年代学や天文学で広く用いられる。現在、ユリウス通日を表す数があまりにも大きくなり、またグリニジ正午を起算とするので常用時に比べて半日の差があって紛らわしいため、J.D.2400000.5日から起算した通日Modified Julian Date(MJD)を一部では使用している。
[渡辺敏夫]
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