改訂新版 世界大百科事典 「ラフマ」の意味・わかりやすい解説
ラフマ
Barthélemy de Laffemas
生没年:1545-1612ころ
フランスの経済思想家。プロテスタントの新興貴族。アンリ4世の側近として,農本主義の傾向を示したM.de B.シュリーに対し工業の振興を主張し,王権の経済政策に大きな影響を与えた。重商主義の理念を掲げ,外国からの高級商品の流入を防ぐため,桑の栽培と蚕の飼育を広めて絹織物業の発展を促すなど,国内工業の保護育成に努めた。1597年のギルド規制令も彼の発案であり,1602年には通商産業総監の地位に就いている。息子のイザークIsaac(1587ころ-1657)は,パリのシャトレ裁判所民事代官やシャンパーニュ,ピカルディーの地方長官を務め,リシュリューの中央集権政策の先兵として旧貴族の弾圧に勇名を馳せ,〈枢機卿の死刑執行人〉と呼ばれた。
執筆者:二宮 宏之
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