最新 地学事典 「ラマン地質圧力計」の解説
ラマンちしつあつりょくけい
ラマン地質圧力計
Raman geobarometer
鉱物のラマンスペクトルの波数位置が,圧力に大きく依存することに注目した地質圧力計。変成作用時(温度T0,圧力P0)に,高い体積弾性率や剛性率をもつ鉱物Aに別の鉱物Bが包有された場合,両鉱物には圧力P0がかかっている。それらが,地表に露出した場合,両鉱物の物性の違いにより,包有されている鉱物Bには,残留圧力(残留応力P1)が生じる。鉱物Aが光学的に透明である場合,ラマンスペクトルを測定して,P1を直接測定することができる。そして,変成作用時の温度T0を独立に推定すると,P1からP0を逆計算することが可能であり,これをラマン地質圧力計と呼ぶ。これまでに,ダイヤモンド-かんらん石やざくろ石-石英,藍晶石-石英の組合せなどで,変成圧力条件の定量的な見積もりがなされている。
執筆者:榎並 正樹・纐纈 佑衣
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

