物体に一様な圧力(あるいは張力)をかけたとき,体積が縮小(あるいは膨張)する。圧力が小さい範囲では,圧力と体積ひずみは比例する。この比例係数を体積弾性率と呼ぶ。圧力をp,体積変化の割合(ひずみ)を⊿V/Vとすると,体積弾性率Kは,
で定義される。多くの固体で,体積弾性率は1010~1011N/m2程度の大きさをもつ。体積弾性率が大きいほど,その物質はかたい。体積弾性率の逆数κ=1/Kを圧縮率compressibilityと呼ぶ。-⊿V/V=κpからわかるように,圧縮率は圧力を加えたときの体積の変化のしやすさを与える係数である。体積弾性率Kは,ヤング率E,ポアソン比νとE=3K(1-2ν)の関係をもつ。ラメの弾性係数λ,μを用いれば,K=λ+2μ/3である。
→弾性係数
執筆者:二宮 敏行
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bulk modulus
膨張収縮に関係した弾性定数。非圧縮率(incom-pressibility)とも。物体に圧力(静水圧)が加わるとき,物体の体積は圧力Pに比例して減少する。圧力が加わる前の物体の体積をV,体積の減少をδVと置くと,P=kδV/Vの関係(フックの法則)が成り立つ。この比例係数kは物質固有の定数で,体積弾性率と呼ばれる。kの逆数を圧縮率(compressibility)という。
執筆者:菊地 正幸
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張力と体積ひずみ(体積膨張の割合)との比、あるいは、圧力と負の体積ひずみ(体積収縮の割合)との比を体積弾性率といい、圧縮率の逆数である。
[和田八三久]
…比例限度をこえるひずみの大きいところでは,高次弾性を考えねばならないが,ふつう,弾性限度の範囲内では,近似的に比例関係が成立しているとして取り扱ってさしつかえない。 弾性係数としては,伸びのひずみと応力の関係を与えるヤング率,ずれのひずみと応力の関係を与える剛性率(ずれの弾性係数),静水圧(すべての方向に一様な圧力)による体積変化の割合を与える体積弾性率などがある。また,ある方向に伸び(あるいは縮み)のひずみを生じさせたとき,その方向と垂直な方向に逆符号のひずみ(伸びに対しては縮み,縮みに対しては伸び)が生ずるが,この二つのひずみの割合をポアソン比と呼ぶ。…
…このほかに,結晶を構成する原子どうしの相互作用ポテンシャルが中心力(ポテンシャルが相互の距離のみに依存する)の場合,コーシーの関係と呼ばれる関係がある。 もっともふつうに使われる弾性係数は,ヤング率,剛性率(ずれ弾性率),体積弾性率,ポアソン比である。これらは等方弾性体について次のように定義される。…
※「体積弾性率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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