翻訳|kyanite
ネソ珪酸(けいさん)塩鉱物の一つ。板状あるいは四角柱状の結晶で、低温・高圧の条件でできた広域変成岩から石英、灰簾(かいれん)石、ソーダ雲母(うんも)などと産する。紅柱石および珪線(けいせん)石と同質異像。広域変成岩中の紅柱石結晶の芯(しん)の部分に藍晶石がみられることがある。これは、いったんできた藍晶石があとで低圧の変成作用を受けたとき、結晶の周囲から低圧で安定な紅柱石に転移してしまったからであり、十分に転移しきれないうちに反応が止まると藍晶石が芯のほうに残るのである。また、藍晶石はしばしば白雲母(しろうんも)に交代されていることもある。二方向に完全な劈開(へきかい)がほぼ直交するが、二つの劈開面上で硬度が著しく異なり、二硬石の異名をもつ。学名は青を意味するギリシア語に由来する。
[松原 聰]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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