最新 地学事典 「ラマン・スペクトル」の解説
ラマン・スペクトル
Raman spectrum
単色光を分子に照射して得られる散乱光の強度を縦軸に,ラマン・シフトを横軸にとって表したもの。単色光を分子に照射すると入射光とは振動数の異なる散乱光が得られ,この現象をラマン効果といい,ラマン散乱光と入射光の振動数の差をラマン・シフトという。ラマン・シフトは分子の種々の運動状態に対応するエネルギー準位に関係づけられる。したがって,物質の分子構造の解析にラマン・スペクトルの測定が広く用いられている。特に顕微ラマン分光法は高い空間分解能(~1µm)をもつことから,微小部の有力な分析方法として注目されており,地学分野では,流体包有物中の水,炭素化合物および硫黄化合物の分析等に応用されている。ラマン効果はC.V.RamanとK.S. Krishnanによって1928年に発見された。
執筆者:斎藤 元治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

