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纐纈 こうけち

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

纐纈
こうけち

交纈とも書く。絞染のこと。糸や紐で布をくくったり,縫糸をしごいたりして染液に浸し,水洗いや乾燥ののちその糸や紐を解いて模様を表わす。臈纈 (ろうけち) ,夾纈 (きょうけち) と並んで三纈といわれ,古来,基本的防染法の一つとされた。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐けち〔カウ‐〕【××纈】

奈良時代に盛行した絞り染めの名。布帛(ふはく)を糸でくくって浸染し、文様を染め出すもの。こうけつ。

こう‐けつ〔カウ‐〕【××纈】

こうけち(纐纈)

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百科事典マイペディアの解説

纐纈【こうけち】

絞染の古名。絞染の技法はインドから中国を経て日本に伝えられたと考えられるが,奈良時代には【きょう】纈(きょうけち),臈纈(ろうけち)とともに代表的な模様染であった。
→関連項目染物

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世界大百科事典 第2版の解説

こうけち【纐纈】

絞染の古名。今日一般に,奈良時代の模様染を代表するものとして〈纈(きようけち)〉〈﨟纈(ろうけち)〉に加え纐纈の名を挙げるが,当時においては纐纈という名称はなく,単に〈纈〉と書き〈ゆはた〉と訓じているものがこれに当たると考えられる。例えば《一切経音義》に〈糸をもって繒(かとり)(上質の平絹)を縛り之を染め,糸を解いて文様を成すものを纈という〉とあるのは明らかに絞染を示している。纐纈という文字が文献にあらわれるのは,《西宮記》見られる〈纐纈の裳〉のように平安中期以降のことのようである。

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大辞林 第三版の解説

こうけち【纐纈】

奈良時代に行われた絞り染めの名。布を糸でくくり、模様を染め出すもの。こうけつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

纐纈
こうけち

奈良時代の絞り染めに対する名称であるが、当時の文献には「纐纈」という字はほとんど用いられておらず、単に「纈」となっている。これが文献のうえに表れるのは、平安前期(905)に完成した『延喜式(えんぎしき)』で「纐纈(中宮式)甲纈(酒造式)」とある。下って平安末期(12世紀初頭)の『今昔物語集』に、慈覚大師が唐土で人血を絞って纐纈を染めている「纐纈城」を訪れる物語がある。また有職(ゆうそく)では「纐纈裳(こうけちのも)」ということばが、江戸時代まで行われている。
 奈良時代の纐纈の唯一の実物資料である正倉院のものをみると、技法は全体に素朴で、現存の資料による限りでは、その種類は少なく、文様も変化に乏しい。目交(めゆい)文風な括(くく)り絞りが多く、ほかには巻絞り、縫締め絞り、また裂地(きれじ)を折り畳んで両側から板の小片で挟み締める板締め絞りなどがあるが、三纈といわれるなかの(ろうけち)、夾纈(きょうけち)と比べてみると、技術の精巧さや、文様の多様さにおいては、とうていこの二者には及ばない。生地(きじ)(あしぎぬ)が多く、綾(あや)、麻は少ない。実際に使用されているところも、衣料や褥(じょく)の裏地など、あまり表だたないところが多い。しかしこの素朴さゆえに、平安時代以後に、纈や夾纈が織物一辺倒の貴族服飾の世界から脱落、衰亡したなかにあって、主として庶民衣料のなかにその技術が残って、日本の絞り染めの伝統が受け継がれてきたということができる。「纈」「纐纈」といっても、それは結局、絞りの技術が素朴で細分化されていない時代に、今日われわれが「絞り染め」といっているように、総括的な意味で用いられたことばであろう。[山辺知行]

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世界大百科事典内の纐纈の言及

【絞染】より

…布を結ぶので上代人は結帛(ゆいはた∥ゆはた)と呼んでいたが,奈良時代に大陸から高度な技術が導入され,目交(めゆい),大纈,小纈,夾纈(きようけち),甲(絞)纈などの名称が文献に現れる。目交,大・小纈は鹿の子絞に似たもので,正倉院に伝来する紅色地目交文纐纈(こうけち)はアスターナ古墳出土の紅色絞纈絹と類似するのをはじめ,唐代の絞纈と技法や文様の類似する遺品が正倉院宝物中に見られる。夾纈は模様を彫った型板に布をはさんで染料を注ぐ板締絞である。…

【染色】より

…また屛風の袋には麻に摺文(すりもん)を置いたものが使われているし,箱の袋などにも﨟纈の裂が使われている。第2は752年(天平勝宝4)の大仏開眼の大法会に用いられた楽装束で,錦や綾,羅,紗,絹,絁,麻など種々の裂地が使われており,(夾)纈﨟纈纐纈(こうけち)で種々の文様を染め上げたものがみられる。第3は757年(天平宝字1)の聖武天皇一周忌斎会における仏殿荘厳の幡(ばん)の類で,錦や綾や羅,平絹が用いられ,纈や刺繡,彩絵などが施されているものがある。…

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