日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランディス」の意味・わかりやすい解説
ランディス
らんでぃす
Kenesaw Mountain Landis
(1866―1944)
アメリカのプロ野球コミッショナー。法曹界から1920年に初代コミッショナーとなり、44年に死去するまで同職を務めた。
11月20日、オハイオ州ミルビルに生まれる。高校を中退した後、法曹を目ざした。1891年にイリノイ州シカゴのユニオン・ロー・スクール(現ノースウェスタン大学)を卒業した。1905年にイリノイ州連邦判事に選任され、厳格な法の番人として知られるようになった。その後、1920年に両リーグのオーナーたちから全権を与えられ、初のコミッショナーに就任。当時は、1919年に行われたシカゴ・ホワイトソックスとシンシナティ・レッズのワールド・シリーズで八百長(やおちょう)があったとされる「ブラックソックス事件」に球界全体が揺れており、秩序回復が求められていた。1921年、ジョー・ジャクソンらホワイトソックスの疑惑の8選手が大陪審で無罪の判決を勝ち取った直後に、全員を永久追放処分とした。1944年11月25日に死去、その功績をたたえられて12月には野球殿堂入りした。
[山下 健]
『J・G・テイラー・スピンク著、C・C・ジョンソン・スピンク編、片岡義男訳『裁かれた大リーグ 初代コミッショナー、ランディス判事とブラックソックス事件』(1981・ベースボール・マガジン社)』