ラーキ火山(読み)らーきかざん(その他表記)Laki

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラーキ火山」の意味・わかりやすい解説

ラーキ火山
らーきかざん
Laki

アイスランド南部の玄武岩質の溶岩台地。標高853メートル。ラカギガルLakagigarともいう。900年ごろにも活動したと伝えられるが、1783~84年に大噴火し、地震を伴いつつ長さ約25キロメートルの割れ目を生じた。その際、約3立方キロメートルの火山砕屑(さいせつ)物を噴出し、約12立方キロメートルの溶岩を流出し、約565平方キロメートルを覆った。世界史上、溶岩台地の生成が目撃された唯一の噴火であり、同国史上最大の噴火である。この噴火で、飢饉(ききん)による餓死(がし)を含め、同国民の約20%(1万人以上)と家畜の約70%が死亡した。

諏訪 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android