大学事典 「リスボン戦略」の解説
リスボン戦略
リスボンせんりゃく
EU(欧州連合)では,2000年にリスボンで開催された欧州理事会で「2010年までに世界でもっとも競争力のある,ダイナミックな知識を基盤とした経済空間を創設する」として,「知識社会における生活と労働のための教育および訓練」「研究と革新の欧州空間の創設」「雇用,教育および訓練における社会的統合の促進」など,経済・社会政策について10年間を念頭においたEUの採るべき包括的な方向性が示された。これをリスボン戦略と呼んでいる。このなかで,教育水準の向上は国際的な「競争力」を高め,「知識社会」を実現するために不可欠なものとして,EUレベルで積極的に取り組まれることになった。リスボン戦略に続き,2010年に欧州理事会は「欧州2020」という今後10年間を見据えた成長戦略を策定している。そこでは知的な成長(Smart Growth),持続可能な成長(Sustainable Growth),包摂的な成長(Inclusive Growth)という大きく三つの目標が設定されている。
著者: 木戸裕
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報