リベリア内戦(読み)りべりあないせん

知恵蔵 「リベリア内戦」の解説

リベリア内戦

リベリアは米国の解放奴隷が移住して1847年に建国、以来、その子孫が先住民を支配してきた。1980年、先住民のドウ陸軍曹長がクーデターにより政権の座についたが、その独裁政治に反対して89年、リベリア国民愛国戦線(NPFL、テーラー議長)が蜂起し内戦となった。90年11月、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が仲介して暫定政府首班としてソーヤー新大統領を擁立したが、NPFLは認めず内戦が続いた。91年10月の和平交渉で半年以内の総選挙実施で合意。その結果、西アフリカ平和維持軍(ECOMOG、約7000人)が停戦、武装解除、総選挙監視のため派遣された。97年5月、ECOWAS首脳会議は、リベリアの大統領選・総選挙を同年7月19日と定め、武装勢力の合意を得た。実施された大統領選挙ではテーラー議長が75%以上の得票を得て当選、大統領に就任した。2003年6月、テーラー政権打倒を目指すリベリア和解民主連合(LURD)が武装蜂起し、内戦が再発した。8月、テーラー大統領は退陣を表明、ナイジェリアに亡命した。同月、和平合意に基づき暫定政府が発足、10月には国連PKO(UNMIL)が展開。05年11月、大統領選挙決選投票でエレン・ジョンソン・サーリーフが初の女性大統領として当選した。また、06年3月、ナイジェリア政府は亡命中のテーラー前大統領をシエラレオネ国際戦犯法廷へ送還、同年6月、ハーグ国際刑事裁判所(ICC)の施設へ移送された。

(林晃史 敬愛大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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