停戦(読み)ていせん

精選版 日本国語大辞典 「停戦」の意味・読み・例文・類語

てい‐せん【停戦】

〘名〙 戦争中、一時的局地または全域にわたる敵対行為合意により中止すること。戦場における負傷者収容死者埋葬降伏撤退交渉などのために行なう。「停戦協定
※通学物語(1941)〈渋沢秀雄〉錆びた銃剣「停戦から一年半もたってゐたのに」 〔情史稿‐張之洞伝〕

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デジタル大辞泉 「停戦」の意味・読み・例文・類語

てい‐せん【停戦】

[名](スル)交戦中の両軍が何らかの目的のため、合意の上で一時的に戦闘行為を中止すること。「協定を結んで停戦する」「クリスマス停戦
[類語]仲直り和解和睦和議和平和戦講和休戦終戦矛を収める水に流す元の鞘に収まる

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改訂新版 世界大百科事典 「停戦」の意味・わかりやすい解説

停戦 (ていせん)
ceasefire

本来は,戦争中,現地の指揮官相互の合意に基づいて,局地的かつ短期的に戦闘を停止することをいう。休戦に比べて空間的にも時間的にも限定された戦闘停止である。この意味での停戦は,戦死者・傷病者の収容,捕虜の交換,死亡者の埋葬・水葬等の目的で,また,降伏や休戦の前段階として,その交渉のために行われる。軍隊の各級指揮官は,その指揮する部隊に関して停戦を合意する権限を有する。

 このような停戦と異なり,最近では,休戦に等しい停戦の例が見られる。これは,戦争の違法化(〈戦争〉の項参照)に伴い,戦争状態が公然と宣言される例がきわめてまれとなった結果,停戦によって武力紛争の全面的中止や事実上の終結が取り決められることが多くなったためである。カシミール紛争の際の1949年のインド・パキスタンの停戦合意,第1次インドシナ戦争を事実上終結させた54年のジュネーブ協定による,ベトナム・カンボジアにおける戦闘の停止,ベトナム戦争を事実上終結させた73年のパリ和平協定による米軍の行動停止および無期限かつ完全な戦闘停止がこの例である。また,国際連合が介入して停戦を呼びかけ,当事者がこれを受諾する場合も多くなっている。1956年のスエズ動乱の際の国連総会決議,73年の第4次中東戦争の際の安全保障理事会決議がその例である。この際,停戦監視国が国連の手で派遣されることが多い。
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百科事典マイペディア 「停戦」の意味・わかりやすい解説

停戦【ていせん】

一時的・局地的に戦闘当事者間の協定に基づいて,戦闘行為を停止すること。負傷者の収容,死者の埋葬,降伏休戦の交渉など特定の目的のためにとられる措置。一般的法規はなく慣習による。
→関連項目軍事境界線

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「停戦」の意味・わかりやすい解説

停戦
ていせん
cease-fire

戦闘停止とも呼ばれる。戦場で向い合う両軍の部隊の指揮官が交渉して,合意のうえ,その責任において両軍部隊が一時的,地域的に戦闘行為を停止すること。負傷者の収容,死者の埋葬,降伏,撤退の交渉などの目的で行われるもの。

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普及版 字通 「停戦」の読み・字形・画数・意味

【停戦】ていせん

休戦。

字通「停」の項目を見る

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