[生]1215頃.フランドル [没]1295頃 13世紀にモンゴル地方を旅行したフランスのフランシスコ会修道士。ルブルクともいわれる。第7次十字軍に随行しキプロス島に滞在した際,キリスト教信者と考えられていたキプチャク・ハン国王子サルタクに会って,モンゴル帝国内でキリスト教を弘布する援助を得るために,ルイ9世と教皇インノケンチウス4世の親書を持参して 1253年パレスチナを出発。黒海,クリミア半島,キプチャク草原を経てサルタクに会った。しかし,帝国滞在の許可を得る必要からキルギス草原を東行,54年1月帝都カラコルムに達し,モンケ (蒙哥) に拝謁した。結局目的を果せず,モンケのルイ9世あて返書をたずさえ,翌年トリポリに帰った。ルイ9世への復命書『フランシスコ修道会のリュブリュキのウィリアム修道士の旅行』 Itinerarium Fratris William de Rubruquis de ordine Fratrum Minorumは,当時の中央アジア,モンゴルの事情を知るための重要資料である。