岩石学辞典 「リーゼガングの環」の解説 リーゼガングの環 1896年にリーゼガング(R. E. Liesegan)が,二クロム酸カリウムを含むゼラチンのシート上に濃厚な硝酸銀溶液を落とすと,ニクロム酸銀の同心円状の周期的沈澱が生じることを見出した.その後類似の現象が広範囲に見つかり,この種の周期的沈澱をリーゼガング環と呼ぶようになった.この現象は周期的な拡散による沈澱で,試験管の中では連続した相を作り,平板の上では連続した環を作る.リーゼガング現象の助けを借りて,瑪瑙(めのう)の縞,砂岩の中の酸化鉄の錆,細粒汚泥や珪質堆積物の層理などの地質構造の説明がなされる.この現象の生成機構は現在まだ十分に解明されていない[Liesegang : 1913, Twenhofel : 1939, 長倉ほか : 1998]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報