ルスティカ(英語表記)rustica[イタリア]

改訂新版 世界大百科事典 「ルスティカ」の意味・わかりやすい解説

ルスティカ
rustica[イタリア]

石造建築で,壁の表面を滑らかにせず,目地(継目)を際だたせたり,石材面を突出させたり,凹凸を目だたせて,荒々しく力強い表情をもたせる技法をいう。古代ローマ建築の一部にすでに現れていたが,ロマネスク時代の中部イタリアの城郭風邸宅に好んで用いられた。ルネサンス時代のイタリア全土でパラッツォに使われ,建築書などを通じてアルプス以北の諸国でも大いに愛好された。石材のみでなく,煉瓦造の壁のスタッコ仕上げにもしばしば適用される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のルスティカの言及

【石積み】より

…目地が見えないよう,あるいは目だたないように密接させた平滑な仕上げを眠り目地,あるいは盲(めくら)目地という。逆に,目地を目だたせ,石積みらしさを強調したものをルスティカといい,日本の石積みでは,〈江戸切り〉〈こぶ出し〉と呼ばれるものがこれに当たる。石垣【桐敷 真次郎】。…

※「ルスティカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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