翻訳|stucco
建造物の内外に塗りつける左官材料。ストゥッコとも呼び,化粧しっくいと訳される。通例,消石灰に大理石粉,粘土粉,砂,顔料などを混入して練ったもので,細工するときは軟らかく,硬化すると耐久性をもち,現在多用されているセメント・モルタルもその一種である。古代の日乾煉瓦造の建物では,はじめ表面に泥を塗って保護したが,やがて石灰スタッコで塗り上げ,白い滑らかな壁面とすることが一般化した。ギリシア人は,大理石以外の多孔質の石材を用いて建てるときは,大理石の細粉を混じたスタッコを塗って磨き上げ,大理石に近い表面をつくり出す技術を完成した。しかし,スタッコ技術をさらに発展させたのはローマ人で,セッコウに形つけした各種の彩色浮彫装飾を天井や壁面に張りつけたり,セメント・モルタルを用いて浴室の内壁や耐候性の高い外壁をつくったうえ,木ずりや木骨に塗りつけて軽量のボールトもつくっていた。これらの技巧はルネサンス時代に復活した。まず,室内の彩色スタッコ装飾が隆盛となり,次いで建築家パラディオが,煉瓦造建築の外壁をスタッコ仕上げにより石造に見せかける工法を普及させた。17世紀以降のバロック建築では,豪華な彫刻装飾がスタッコにより比較的安価につくられている例が多い。とくに18世紀のドイツ,オーストリアのバロック建築ではスタッコ技法の活用が目だち,一村のほとんどがスタッコ職を業とするという村さえあった。19世紀のイギリスでは,J.ナッシュが,煉瓦造スタッコ仕上げの外壁にさらにペイントを塗った建築を普及させ,〈リージェンシー・スタッコregency stucco〉という名で知られている。また,いわゆるコロニアル・スタイルの建築では,木造建築をスタッコ仕上げによって煉瓦造や石造に見せかけることもしばしば行われた。日本で広く行われている木造モルタル塗りの建築は,それを簡易な防火構造として普及させたものである。
執筆者:桐敷 真次郎
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…【中山 公男】
[東洋の仏教塑像]
仏像が初めて製作された北西インドのガンダーラでは,3~5世紀ころに石仏とともに塑像が多くつくられた。同期の遺品が隣接するアフガニスタンのハッダ,カーブルから多く出土しており,これらは粗い土の上をしっくいを混ぜた細かい塑土で整えたスタッコの技法で製作されている。良質の石材が得難い中央アジアでは塑造の仏像が多くつくられ,石製の芯の表面に塑土を盛った石胎塑像やスタッコ像が,東トルキスタン各地の4~5世紀ころの仏教遺跡,ミーラーン,ビハーラ,トゥムシュクなどから出土している。…
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年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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