ルナオービター(英語表記)Lunar Orbiter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルナオービター」の意味・わかりやすい解説

ルナオービター
Lunar Orbiter

アメリカ航空宇宙局が 1966~67年に打上げた無人一連月探査機レンジャー計画に続くもので,孫衛星となって月を回り続け,多くの月面写真を撮影,月の詳細な地図をつくるのを目的とした。ルナオービター1号は,66年8月打上げられ,アメリカ最初の孫衛星となり,広角と狭角のカメラで,広範囲の月面写真を撮った。同年 11月打上げられた2号は,近月点を 34kmまで下げ,コペルニクス山などを撮影。続く 67年2月の3号,同年5月の4号,同年8月の5号により月面の 99%までの鮮明な写真撮影に成功。これをもとに正確な月の地図をつくり,アポロ宇宙船の月着陸点を決めるのにも大きな役割を果した。

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世界大百科事典(旧版)内のルナオービターの言及

【宇宙開発】より

…すでに1959年にソ連のルナ3号は月の裏側の写真を地球に送ってきており,66年にはルナ9号が月面上に軟着陸して初の月の表面の写真を送ってきた。アメリカはアポロ計画の予備観測として,レンジャー,サーベイヤー,ルナオービターの月観測計画を実行した。1961年から始まったレンジャー計画は,探査機が月に衝突するまでの写真をとることを主目的として合計9機が月に送られたが成功率は低く,9号機でようやく衝突までの完全な写真がとれた。…

【月】より

…また,月から見て地球はいつも同じ方向にあり,月はいつも同じ面を地球に向けているので,地球の潮汐によって地球に向いている赤道の直径は,これに垂直な直径より長いはずといわれていた。ところが,月のまわりを回ったNASAのうち上げたアポロやルナ・オービターの測定によると,地球を向いた面は平均の球から2.6kmほどへこみ,反対側はほぼこれと同じくらいとび出していることがわかった。したがって,月では球の中心と重心とが2kmほどずれている。…

※「ルナオービター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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