レオニヌス(読み)れおにぬす(英語表記)Leoninus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオニヌス」の意味・わかりやすい解説

レオニヌス
れおにぬす
Leoninus

生没年不詳。12世紀後半に、パリのノートル・ダム大聖堂で活躍した作曲家。フランス風にレオナンLeoninともよばれるが、生涯に関してはほとんど不明。1年間の主要な祝日で歌われる、ミサのグラドゥアーレとアレルヤおよび聖務日課のレスポンソリウムを定旋律とした二声オルガヌムからなる『オルガヌム大曲集』をつくり、当時の人から「最上のオルガヌム作曲家」とよばれた。レオニヌスのオルガヌムは、それまでのオルガヌムとは異なり、一定のリズム・パターンで動く傾向があり、後の厳格なモード・リズムの先駆的な性格をみせている。

[今谷和徳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レオニヌス」の意味・わかりやすい解説

レオニヌス
Leoninus

12世紀後半のフランスの作曲家。パリのノートル・ダム大聖堂で活躍した初期ポリフォニーの大家で,教会暦に従って1年間に用いる応唱,昇階唱,アレルヤなどの典礼聖歌を2声のオルガヌム様式で作出した"Magnus liber organi"を残した。

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