最新 地学事典 「レオロジーモデル」の解説
レオロジーモデル
rheology model ,rheological model
物体の変形および流動特性を説明するために想定された力学的模型。一般に,物体の変形(流動を含む)は弾性変形と流動とに区分され,流動はさらに塑性流動と粘性流動とに分けられる。また,このような変形様式を示す物体をそれぞれ,弾性体・塑性体・粘性流体と呼び,それらの物体が変形の際に示す力学的性質を,弾性・塑性・粘性という。レオロジーでは,理想的な弾性・塑性・粘性を示す三つの物体を想定してこれらを要素体と呼び,それぞれスプリング・スライダー(かけがね)・ダッシュポットで模型的に表現する。すなわち,スプリングは応力σと歪みεとの間にσ=γεなる関係(Hookeの法則,γは弾性率)が存在することを意味し,スライダーは応力が一定の値(降伏値)以下ではまったく変形せず,降伏値に達すると応力一定のまま流動が始まることを示し,ダッシュポットは応力σと歪み速度εとの間にσ=ηεなる関係(Newtonの粘性法則,ηは粘性率)が成立することを表現。これらの要素体を組み合わせたモデルは複合体といわれ,実際の物体の示す変形様式を説明するために用いられる。岩石の力学的性質はきわめて複雑で,種々のレオロジーモデルが提案されているが,現状ではまだすべての変形特性を説明することはできない。三つの要素体を並列につないだものを多数直列に結合したモデルが岩石に近いであろうといわれている。
執筆者:植村 武
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

