レクルートメント現象(読み)レクルートメントげんしょう(その他表記)recruitment phenomenon

改訂新版 世界大百科事典 「レクルートメント現象」の意味・わかりやすい解説

レクルートメント現象 (レクルートメントげんしょう)
recruitment phenomenon

補充現象とも呼ばれ,内耳の毛細胞の障害による難聴の際に起こる現象である。音の物理的な強さ,すなわち騒音計のような測定器で測れる音のエネルギーの量と,その音を聞いて生じる大きさの感覚の関係に異常が起こり,音の強さをしだいに増していくと,音の大きさの感覚が異常に増加していく。自覚的には,小さい音は聞こえないのに,少し強い音は異常に大きく耳に響いて聞こえることになる。内耳の障害による難聴のある人が補聴器を使うと,音が響いてうるさく聞こえ,補聴器の増幅度調節が困難な場合が少なくないが,その理由の一つはこの現象である。耳鼻咽喉科で難聴の診断を行う際には,この現象のあることがわかれば難聴は内耳の障害によると判断できるため,その検出を目的とする多くの検査が用いられている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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