改訂新版 世界大百科事典 「レコンバレル」の意味・わかりやすい解説
レ・コンバレル
Les Combarelles
フランス南西部,ドルドーニュDordogne県にある旧石器時代の遺跡。1901年にブルイユ,カピタンL.Capitan,ペイロニが調査して,洞窟内の壁画を旧石器時代のものであるとし,パリの学士院もこれを認めた。旧石器時代の洞窟壁画が公認されたのは,これが最初である。洞窟は二つに分かれ,第1洞は長さ237m,幅1.5~2m,高さ1.6~1.75mと細長く,入口から120mのところから壁画(ほとんど線刻画)が始まり,大小さまざまの線刻画が重なりあっている。全部で291点の形象が見られ,馬の像が最も多く116点,次いでビゾン,熊,トナカイ,マンモス,ヤギ,牛,鹿,ライオンの順で,半人半獣像も39点ある。いずれもマドレーヌ期のものである。第2洞はフランスのリビエールE.Rivièreによって発掘され,マドレーヌ期の工作品が発見され,後に17点のマドレーヌ期の線刻画が見いだされた。
執筆者:木村 重信
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報