形象(読み)ケイショウ

精選版 日本国語大辞典 「形象」の意味・読み・例文・類語

けい‐しょう‥シャウ【形象】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物の表に現われている形。また、具体的な形をとった物事
    1. [初出の実例]「出有形象、以欲其英霊」(出典:本朝文粋(1060頃)一・視雲知隠賦〈大江以言〉)
    2. 「この太虚こそ真理の形象(ケイショウ)なりと認むる如き」(出典:各人心宮内の秘宮(1892)〈北村透谷〉)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐寄董卿嘉栄詩〕
  3. ( [ドイツ語] Bild の訳語 ) 感覚でとらえたものや心中の観念などを芸術家がある表現手段によって具象化すること。また、その表わされるもとのものや作品として表わされたもの。その表現形式をもいう。形質。
    1. [初出の実例]「形象作用といふのは形式又は形態をいふのでなく〈略〉社会層又は時代層の雰囲気に依って、作家の精神の内面に於ける文学形象が結晶せられる作用をいふのである」(出典:形象論序説(1938)〈垣内松三〉三)

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普及版 字通 「形象」の読み・字形・画数・意味

【形象】けいしよう(しやう)

かたち。すがた。〔呂覧、順説〕善くは巧士の(ごと)し。~其の來(きた)るに因りて與(とも)に來り、其のくに因りて與にく。形象を設けず、生を與にし長を與にし、~以て歸するに之(ゆ)く。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「形象」の意味・わかりやすい解説

形象
けいしょう
species; image

スコラ哲学用語。詳しくは species impressaと species expressaに分けられ,前者は精神がその外から受動的に受取る感覚的要素から抽象された事物の像であり,後者はこれを契機として精神が能動的に生み出す像,つまり概念で,これによって精神は現実対象と一致するとされる。芸術では,物体,色,音などの素材うち現実化される芸術家の創造所産をさす。

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