レニン-アンギオテンシン系(読み)れにんあんぎおてんしんけい

栄養・生化学辞典 の解説

レニンアンギオテンシン系

 血圧制御機構の一つで,腎臓から分泌されるタンパク質分解酵素レニンと,血中にあるその基質アンギオテンシノーゲンレニン基質)とが血圧を調節する系.レニンはアンギオテンシノーゲンに作用してアンギオテンシンIを生成し,これがアンギオテンシン変換酵素の作用でアンギオテンシンIIに変化して血圧上昇をもたらす.アンギオテンシンIIはさらにアンギオテンシンIIIに変換される.アンギオテンシンIIIはナトリウム再吸収を促進し,アルドステロンの分泌を促進する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のレニン-アンギオテンシン系の言及

【アンギオテンシン】より

…アンギオテンシンは不安定な物質で,血中半減時間は1分内外にすぎないが,その濃度はレニンによって調節されている。このレニンとアンギオテンシンによってアルドステロンの分泌が調節されているところから,この調節系はレニン‐アンギオテンシン系と呼ばれる。【関口 利彦】。…

【レニン】より

…またアンギオテンシンIIの生理作用として血管壁に直接働いて血管を収縮させ血圧を上げるほかに,これがアルドステロン分泌刺激ホルモンとして副腎に働くことも明らかとなった。 現在レニン‐アンギオテンシン系の関与がかなり確実であると考えられている高血圧には,腎血管性高血圧,悪性高血圧,レニン分泌性腎腫瘍による高血圧などがある。その他の高血圧にもレニン‐アンギオテンシン系が関与しているかどうかには,まだ多くの議論がある。…

※「レニン-アンギオテンシン系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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